クボタ、最高益1550億円発表~北米で小型建機を拡販


クボタは16日、2016年12月期の連結純利益(米国会計基準)が1550億円になる見込みだと発表。
変則決算だった15年4~12月期と同1~3月期の合算に比べ4%増え、年間で過去最高となる。
けん引役は海外で、活況な北米の建設市場に小型建機を売り込む。 
中国は食糧増産に向けた高水準の農機購入補助金を背景にコンバインの販売が伸びる見通し。

売上高は同4%増の1兆7500億円を見込む。 
北米では住宅の需要が引き続き旺盛で、クボタは1月から新型四輪建機の生産を米ジョージア州で始めた。
富裕層が趣味の畑仕事に使う小型トラクターは米ディア社などライバルとの競争が激しいが、販売奨励金の積み増しなどで乗り切る考え。

主力とする農機は企業の設備投資や不動産市況などの影響を受けにくい。 
同日記者会見した木股昌俊社長は中国市場について「16年も補助金を軸にした農業振興策が続き春先から支給が始まる」と話し、15年に投入したトウモロコシ用コンバインの販売を拡大するとの事。
干ばつ被害で農機需要が落ち込んでいるタイも天候回復を見込んでいる。

営業利益は2350億円を目指す。
市場予想の平均(2538億円)にはとどかないが5%増益を確保する。想定為替レートは1ドル=115円と前年の121円より円高・ドル安に設定した。
ユーロやタイバーツなどもあわせ円高が190億円の減益要因になるが、売り上げ拡大で吸収する。
鋼材など材料費の下落も見込んでいる。

同日発表した15年4~12月期連結決算は売上高が前年同期比9%増の1兆2447億円、純利益は10%増の1101億円だった。
タイの天候不順が響き従来予想を下回った。
未定としていた期末配当は14円(9カ月合計は28円)とした。